その昔東西交易で栄えたシルクロード。天山南路と西域南道の合流地点カシュガルは、中国新疆ウイグル第二の都会である。15世紀に建てられたイスラム教のエイティガール寺院が今も街の中心だ。
モスクの門前に続く職人街の狭い倉庫で、床に正座しておじぎをしている人がいた。イスラム教徒は一日五回、メッカの方向に礼拝するという。また聖なる金曜日、住宅地で膝に敷く小さな絨毯を抱えてモスクに急ぐ男たちに出会った。
街を歩いていると、目だけを開け、頭からスッポリと布で覆っている女性を見かける。布は無地のコーヒー色が目立つが黒や柄物もある。もともと女性は外で肌を見せないイスラム社会の風習に由来するようだが、近ごろではスカーフで髪を覆うだけの人が多い。
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ヤルカンドのバザールでは、鋳物のストーブを売る人、病状をきいて何種もの生薬を混ぜ粉末状に砕いている人、路上で生きた羊を売っている人もいた。地元の人を何人も乗せたリンタクやロバ車が人波をぬって走っている。
ヤルカンドからホータンまでタクシーをチャーターし、タクラマカン砂漠の南縁を走った。古代の西域南道の一部で、いまや国道三一五号線の快適な舗装道路だ。夕暮れ迫るころ風が強くなり、道路をまたいで砂ぼこりが濁流のように渡っていく。センターラインも見えなくなり、車は速度を落としてようやくオアシスの街に到着した。
ホータンで縁者を大勢集めて、婚礼のご馳走をふるまっている家があった。その晩お婿さんが迎えにくるそうで、近所の人たちも総出で手伝っている。通りかかった見ず知らずの私たちまでお相伴にあずかった。
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